Date: 9月 15th, 2014
Cate: デザイン
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オーディオのデザイン、オーディオとデザイン(真空管アンプのレイアウト・その10)

とにかく知人から、早く作ってほしい、とせかされていた。
だから知人と一緒に秋葉原に行き必要な部品を買い、そのまま知人宅に行き組み立てることになった。

部品点数も少ないから、それで困るわけではない。
回路図は頭にはいっている。
そんなに複雑な回路でもない。

あとは部品を眺めて大きさを把握して、おおよその位置にラグ板を配置していく。
そして部品を取り付け、フックアップワイアーで、
それぞれのラグ板、入出力端子、アッテネーターなどを接続していく。

ここの枝ぶりは、伊藤先生の流儀で、すこしの余裕の持たせてやっていく。
20年以上の前のことだから、製作時間がどのくらいかかったのかは正確に憶えていないが、
夜には完成した、このパッシヴのネットワークを使ってマルチアンプのシステムから音が出た。

後日、このパッシヴのネットワークの内部を、知人が井上先生に見せたらしい。
「よく出来ているじゃないか、いまメーカーのエンジニアでも、こういう配線ができる人はほとんどいない」
ということだった。

意外だった。
だからといって、私がメーカーのエンジニアよりも優れているというわけではない。
私はプリント基板、それも高周波を扱うものは無理である。
メーカーのエンジニアは、そこはプロである(はずだ)。

得手不得手が違う、という話なのだが、
それでも1990年くらいで、
すでにメーカーにフックアップワイアーによる配線をまともに出来る人がほとんどいない、という事実は、
アメリカ、ヨーロッパのガレージメーカーに求めるのも無理な話だと思わせた。

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