素材考(カートリッジのダンパー・余談)
オーディオでは、慎重のうえにも慎重にやっていかなければならないことがある一方で、
慎重になりすぎてしまうと、逆にダメなこともある。
そのひとつがカートリッジのレコード盤面への降し方である。
これについては、「私にとってアナログディスク再生とは(補足)」で、一度書いている。
三年前のことだし、読んでいない人がいたこともつい最近知ったので、
あえてここでもう一度書いておく。
レコードとカートリッジを大事にするあまり、
ゆっくりとカートリッジをレコード盤面に降ろす人がいる。
けれど、これがレコードを傷つけることになる。
カートリッジは針先が、あとすこしで盤面というところまでもってきたら、
ヘッドウェルの指かけから指を離して、あとは自然落下にまかせるものである。
溝に針先がリードインするまで指を離さないということが、
どういうことになるのか一度想像してみてほしい。
指かけから最後まで指を離さずに降ろす人は、ほとんどがリードインの音を聴いていないことが多い。
針先がリードインしてからボリュウムをあげるわけで、これはけっこうなことなのだが、
一度はリードインの音を聴いて、自分の操作がどのレベルにあるのかを確認した方がいい。