日本のオーディオ、これから(モノづくり・その2)
IT企業のITは、いうまでもなくInformation Technologyの略である。
だが、日本のIT企業の中には、Information Technologyを持っていないのではないか、と感じる企業もある。
そういう企業もInformation Technologyということになっている。
そういう企業が考えるTechnologyと私が考えるTechnologyが違うのかもしれない。
そういう企業トップが、「日本のモノづくりには……」と発言する。
そういうIT企業の「ような」会社のトップのいうことだから──、と私はおもう。
今回のテクニクス・ブランドの復活は、オーディオ機器というモノづくりを、
パナソニックが復活させた、ということである。
今回発表されたアンプやスピーカーシステムの出来がどの程度なのかについては、
まだ写真を見ただけだから、あれこれ書くのは控えておく。
だが、パナソニックは、先のIT企業の「ような」会社ではない。
それに技術者がいないのでは……、ということは、必ずしもネガティヴなことではない。
テクニクスの製品でいえば、オープンリールデッキのRS1500U。
このモデルの開発には、新しい感覚、新しい考え方を盛り込むために、
あえて半数以上がテープデッキの開発に携わったことのない技術者で編成されたグループが行っている。
RS1500Uの開発に関する記事は、ステレオサウンド別冊「世界のオーディオ」のテクニクス号で読める。
テクニクス号はすでに絶版だが、電子書籍となっている。