素材考(カートリッジのダンパー・その1)
カートリッジにはダンパーと呼ばれる部分がある。
このダンパーには、たいていゴム系の素材が使われている。
ごく一部のカートリッジにはゴムのダンパーが使われていないモノもあるが、
ほぼすべてといっていいほど、ほとんどカートリッジにはゴムのダンパーが使われている。
ゴムときくと、反発する素材というイメージがある。
ゴムのボールを壁や床にぶつけると跳ね返ってくる。
輪ゴムを伸ばしていた指を離すと、即座に元の大きさに戻る。
そういうイメージが、ゴムにはある。
カートリッジにゴムのダンパーが使われている、と知って、
まずそういうゴムのイメージでカートリッジのダンパーをとらえていた。
けれどカートリッジの動作を考えると、そういうゴムの性質はダンパーとして理想化というと、
そうでもないことに気づく。
最初のきっかけはステレオサウンド 61号の「プロが明かす音づくりの秘訣」だった。
60号からはじまった、この企画、一回目は菅野先生、二回目は長島先生だった。
ここで長島先生はオルトフォンのSPU-Aのエージング方法を紹介されている。
これがきっかけである。