Date: 8月 22nd, 2014
Cate: アナログディスク再生
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私にとってアナログディスク再生とは(インサイドフォースキャンセラーのおもり・その3)

インサイドフォースの問題がややこしいのは、
レコードの溝の波形、針圧、針先の形状、
針先からみたカートリッジの振動系の機械インピーダンスなどが絡んできていて、
一枚のレコードでも同じキャンセル量で解消されるというわけではない。

つまりインサイドフォースを完全にキャンセルすることは、非常に困難なことである。
つまりインサイドフォースキャンセラーの調整は、妥協点をさぐる行為ともいえる。

妥協点だからといって、安易に調整していいわけでもない。
SMEのトーンアームに代表されるおもりを糸吊りしている機構では、
おもり(Bias Weight)が、なにかの拍子で揺れていると、はっきりと音に影響を与える。

インサイドフォースキャンセルを、カートリッジへの水平バイアスと考えれば、
おもり、つまりバイアスウェイトの揺れは、バイアスの揺れと同じであり、
これでは安定した音は得られなくなる。

そんなことはないだろう、と訝しがる人で、
SMEの糸吊り式のインサイドフォースキャンセラーをもつトーンアームをもっているならば、
ためしにバイアスウェイトを意図的に揺らしてみればいい。

それでも音は変らない、という場合は、SMEのトーンアームの調整がうまくいっていないか、
システム全体の調整も、またそうだ、ということである。

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