Date: 7月 5th, 2014
Cate: 組合せ
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組合せのこと(その4)

組合せの記事が、私がステレオサウンドを読みはじめた1970年代からすると、減ってきている。
なぜなんだろうか。

1970年代よりも個々のオーディオ機器の完成度が高くなっているから、
組合せによる妙味がなくなってきているのか──。
私は、そうは思っていない。

1976年からずっとオーディオ雑誌を読んできている。
それで気づくことがある。
1980年代ごろから各オーディオ雑誌が賞を与えるようになってきた。

このことと組合せ記事の稀薄化は関係しているように思う。
「コンポーネントステレオの世界」のように、組合せだけで一冊の本が以前は成り立っていた。
ステレオサウンドの別冊だけではない、
音楽之友社からも「ステレオのすべて」が出ていた。
「ステレオのすべて」は組合せだけの別冊ではなかったけれど、それでもメインの記事は組合せだった。

いまはそういう時代ではなくなっている。
かわりに賞が、どこのオーディオ雑誌でも年末恒例の行事になっている。

組合せ記事は、あの時代、いわば一年の締括り的な意味合いがあったのではないか。
一年のあいだに多くのアンプ、スピーカーシステム、プレーヤー、カートリッジが登場する。
それらを試聴する記事が載る。
それだけでは機器の良し悪しはある程度わかっても、
オーディオは最初に述べたようにシステムとしてのみ機能するのだから、
組合せの中で、それらの機器がどう活きるのか・活かすのか──。

ここに焦点があてられていたからこそ、組合せの記事があれだけのボリュウムでつくられていたのではないのか。

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