組合せのこと(その1)
オーディオ機器は組合せで成り立っている。
どんなに優れた、名器とよばれるスピーカーシステムであっても、それだけでは音は出ない。
アンプにしても同じこと。世界最高の特性をもち、どんなに音が良いといわれていても、
スピーカーがなければ、そのアンプの優秀性はわからない。
とにかくオーディオはコンポーネントの世界である。
そして、アンプにしてもスピーカーにしても、理想のアンプ、スピーカーなんてものはひとつも存在していない。
これからもそうである。
みなそれぞれに美点をもち欠点をもつ。
そういうものを組み合わせてシステムを構築しているのがオーディオであり、
このことに関してはこれから先も同じである。
私は組合せにオーディオの面白さがある、と思っている人間だ。
だからHI-FI STEREO GUIDEがあれば、組合せをあれこれつくって楽しめる。
いまJBLのD130の組合せのことを書いているけど、
頭のなかでは、別のスピーカーの組合せを考えている。
そして組合せに、その人の、オーディオに関することがしっかりとあらわれている。
何度か書いているように、私にとって最初のステレオサウンドは、41号と「コンポーネントのステレオの世界 ’77」。
最初に組合せの別冊を読んでいる。
そういう者にとっては、ステレオサウンドでの特集、
アンプの試聴にしてもスピーカーシステムの試聴にしても、
試聴記を読みながら考えていることは、やはり組合せのことが圧倒的に多い。