電子制御という夢(その3)
ソニーのPS-B80について、新製品のページを担当されていた井上先生は、
未来指向のアイデア豊かな製品ということで興味深いと思います、と、
山中先生は、
実際に使ってみると大変ユニークで、
ある面ではこれからのトーンアーム、フルオートプレーヤーとしての一つのあり方を示していると思います、
とそれぞれ語られている。
ここだけ読めば評価されているのかと思えるのだが、
この発言に続いて同時期の新製品、パイオニアのExclusive P3について語られているのを読むと、
そうも思えないところもあった。
井上先生は、
エレクトロニクス・コントロールでいくら努力しても、やはり基本的なメカニズムがしっかりしていないと、
どっしりと腰のすわった音を出すことが難しいということをはっきりと示しています、と、
山中先生はメカニズムが基本であり、全てであるということを改めて考えさせられる製品です、と発言されている。
ここでのメカニズムは主に回転系のことを指しているわけだが、
トーンアームも含めて、というふうにも読める。
PS-B80については井上先生が紹介記事を書かれているけれど、
音については触れられず、機能解説であった。
そうでなくともアナログプレーヤーはメカニズムが肝心と思っていた私は、
PS-B80を聴いてみたいとは思わなかった。