Date: 5月 24th, 2014
Cate: 4350, JBL
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JBL 4350(その12)

スイングジャーナルの4350Aの組合せの記事、
ステレオサウンド 53号での4343のバイアンプの記事、
これらと前後して当時西新宿にあったサンスイのショールームでも、
4350AをML2を六台使って鳴らされているから、
ステレオサウンド、スイングジャーナルの編集者以外でも、
その音の凄さを耳にされた方はいる。

記事だけで想像をふくらませた人、
実際の音を聴いた人、
その中には、その凄さを自分のものとしたくて、4350Aを手に入れた人もいよう。

「ピアニシモでまさに消え入るほどの小さな音量に絞ったときでさえ、音のあくまでくっきりと、
ディテールでも輪郭を失わずにしかも空間の隅々までひろがって溶け合う響きの見事なこと」とも書かれている。

4350Aを大きな音量で鳴らさなくとも、こういう音が聴ける──、
それだけでも、これだけの大がかりなシステムに挑戦してみよう、とも思う。

そういう熱にいわば感化されて4350Aを買う。
それが1980年ごろとして、いまは2014年。もう34年経っている。

当時30歳だった人は64歳になっている。
25くらいで買った人でも59歳、還暦目前。

それだけ歳をとり、まわりも変化してきている。
そうなると若いころには、4350Aの「狂気をはらんだ物凄さ」を抽き出そうとしていた人も、
いまでは違う鳴らし方をしているのが当然といえる。

けれど、そうやってたどりつき、いま鳴らしている音が「角を矯めて牛を殺す」的な音になってしまうのは、
それは違うのではないか、とどうしてもいいたくなる。

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