広告の変遷(を見ていく・1969年)
the Review (in the past)で、おもにスイングジャーナルに掲載されたオーディオの広告を公開しはじめている。
これを書いている時点で450本。スキャンし終っている広告の一〜二割程度。
レタッチ作業に馴れて効率が良くなれば、もう少し公開のペースもあげられるけれど、
いまのところは、こんな調子でやっている。
レタッチ作業をしていると、漫然と広告を見ていたときには気づかなかったことも目に入ってくる。
今日午後に公開したスタックスのヘッドフォンSR3の、1969年のステレオに載った広告。
SR3がプロフェッショナルの現場でも使われていることを謳った広告で、
右側にそれぞれの会社での、使われ方を撮った写真が四枚並んでいる。
その中の一枚に、東芝レコードのものがある。
この一枚だけが、他の三枚とは少し違っている。
女性が何人もレコードプレーヤーの前にすわり、スタックスのSR3で、
レコードの検聴と思われる作業をとらえた写真である。
おそらくプレスされたレコードから、どの程度なのかは検討がつかないけれど、
ある程度の枚数をピックアップして、問題がないのか、実際に再生してチェックしているのであろう。
目視でのチェックはやっているような話は、以前聞いたことがあったけれど、
こうやって耳でも確かめているとは、まったく思っていなかった。
レコードの値段は昔も今もそう変っていない。
物価は変化していても、レコードの値段は二千〜三千円していた。
1969年は、いまよりもレコードは、ずっと高価なモノであり、
レコードもまた工業製品である以上、品質管理が必要となる。
そんなことを思い起こさせたスタックスの広告だった。