Date: 6月 14th, 2010
Cate: サイズ
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サイズ考(その67)

わかりやすいサイズに、部品の大きさがある。
オーディオ用パーツとして売られているもの(それらが必ずしも優れた部品とは限らない)は、
特にコンデンサーは、汎用の電子部品とくらべると、ひとまわり、ふたまわり大きなものがある。

その一方で、コンピューターの普及、クロック周波数の向上によって、表面実装パーツもふえてきた。
これらのパーツは、抵抗もコンデンサーにしても、かなり小さい。吹けば飛ぶ、そんな小ささと軽さ、である。

この表面実装パーツを採用しているオーディオ機器も、ここ数年増えてきている。
従来のオーディオ用パーツからしてみると、そのサイズだけで、音の期待はできそうにない気もしてくるが、
ここまで小ささを実現していると、信号系路のコンパクト化は、
以前では考えられなかったレベルで可能になってくる。

井上先生がよく云われていたことだが、CDプレーヤー内部のLSIは、それぞれが小さな放送局である、と。
個々のLSIの消費電力が、放送局としての出力の大きさと比例関係にあり、
当然消費電力が小さいほど、そのLSIからの不要輻射は少なくなり、CDプレーヤー内部の高周波ノイズは減っていく。

消費電力だけでなく、使用LSIの数が増えればそれだけ放送局の数が増えたのと同じことで、
LSIのサイズが小さくなれば、不要輻射の面積も小さくなる、といえるだろう。

これと同じ理屈でいけば、表面実装パーツをうまく使えば、高周波の信号が通る系路をコンパクトにし、
そこからの不要輻射を減らし、また他からの影響も受けにくくなろう。

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