私的イコライザー考(その8・続補足)
ずいぶん前に、自転車に乗れない人にむけてのコツをを教えている人のインタビューを、読んだか聞いたことがある。
その人の教え方は、自転車のペダルを外して、足で地面を蹴らせたり、
後から支えながら押して自転車を前にすすめながら、まずバランスの取り方をマスターさせるそうだ。
バランスがきちんととれるようになった後で、ペダルを取りつけて、ペダリングをマスターさせる。
自転車に乗るということは、バランスをとリながら、ペダルをまわしていくこと。
このふたつを同時に身につけようとすると、ときにつまずいた人は、そこであきらめてしまいがちになるため、
その人は、ひとつひとつこなしていくように指導しているらしい。
グラフィックイコライザーも、この自転車の乗り方の身につけ方と同じでいいと思う。
理想のリスニングルームがあって、左右のスピーカーシステムの置かれている条件はまったく等しくて、
さらに左右のスピーカーシステムのバラつきもまったくなく、もちろんアンプやCDプレーヤーも、
左右チャンネルにわずかな差違すらない、そんな条件であるならば、
グラフィックイコライザーの、最初の使いこなしは、帯域バランスを整えることからやってもいい。
いうまでもなく、そんな理想の条件はそろわない。
左右のスピーカーシステムまわりの条件は、けっこう違うことが多いし、
スピーカーシステムそのものに、左右のバラつきが大なり小なりある。
アンプにしてもCDプレーヤーにしても、左右チャンネルでまったく同じ音を出すモノは、ほぼありえない。
ならば最初の取組みは、どうすればいいのかは、おのずと答えが出てくるはずだ。