Date: 1月 24th, 2014
Cate: デザイン
Tags:

オーディオのデザイン、オーディオとデザイン(その19)

SQ301は、もしかすると上原晋氏のデザインなのかもしれない、と思ったこともある。

1983年にラックスはアルティメイト(ultimate)シリーズの管球式アンプを、三機種発表した。
コントロールアンプのCL36u、パワーアンプのMB88u、プリメインアンプのLX38uであり、
LX38とCL36のフロントパネルは、SQ301から続いているデザインである。

そしてこのアルティメイト・シリーズの型番の末尾につけられた「u」は、
アルティメイトの頭文字であるとともに、このシリーズをひとりで担当された上原氏の「u」とみることもできる。

このアルティメイト・シリーズに関する記事は、
ステレオサウンド 65号に永井潤氏が、66号に柳沢功力氏が書かれている。

上原氏のデザインの可能性もある。
それを確かめるために、65号をひっぱりだしてみると、
上原氏のデザイナーとしてのデビュー作はSQ505とある。

SQ505は1968年の新製品で、
この年、大阪デザインハウスの最優秀デザイン賞を受けている。

SQ301はそれ以前に登場しているから、上原氏のデザインでないことは確かである。

SQ505はステレオサウンド 8号のアンプ特集でとりあげられている。
SQ505のデザインについて、瀬川先生は次のように書かれている。
     *
ツマミの配置は、意匠的にも人間工学的にも優れたものだ。ただし、ボリュームと同軸のバランスのツマミは、もう少し形を整えないと、ボリュームの操作にともなって一緒に廻ってしまい、具合が悪かった。ロータリ・スイッチの手ざわりが、もう少し柔らかくなれば申し分ないと思う。
     *
一部注文をつけられているが、デザインに関しては優れたものと認められている。

Leave a Reply

 Name

 Mail

 Home

[Name and Mail is required. Mail won't be published.]