Date: 5月 13th, 2010
Cate: トーラス
Tags:

同軸型はトーラスなのか(その20)

サンスイのスーパー・フィードフォワード・システムを、最初に搭載したのは、
プリメインアンプのAU-D607FとAU-D707Fのパワーアンプ部である。

パワーアンプ部はいうまでもなく電圧増幅部と電流増幅部の、大まかにいって2つのブロックから構成されている。
オーバーオール(アンプの出口から入り口まで)でかけているのはフィードバック(NFB)だけである。
電圧増幅部も電流増幅部も、ひとつの大きなフィードバック・ループのなかにおさまっている。

フィードフォワードは、というと、電流増幅部のみにかけられている。
簡単に説明すると、電流増幅部がふたつ存在し、片方はこれまでどおり信号増幅用として使われ、
もう片方がフィードフォワードのループを形成するのに使われている。

電圧増部からの信号は2つに分けられ、それぞれの電流増幅部にはいり、
どちらの出力にもサミングネットワークが設けられている。
NFBは、このサミングネットワークと電流増幅部のあいだから電圧増幅部の入力へと返される。

フィードフォワードによる歪の打ち消しは、サミングネットワークを通ったあとで行なわれる。
サミングネットワークはNFBのループからは外れている。

フィードフォワードが成立つために必要な予測とは、
正確な補正信号と、その補正信号の正確なタイミングである。

正確な補正信号を作り出しても、合成時のタイミングがズレてしまえば、
歪を打ち消すどころか、逆に新たな歪を作り出すことになる。
このタイミングを揃えるための回路が、サミングネットワークと呼ばれているものだ。

Leave a Reply

 Name

 Mail

 Home

[Name and Mail is required. Mail won't be published.]