同軸型はトーラスなのか(その17)
NFB理論は、1937年に、ベル研究所にいたハロルド・ステファン・ブラック博士によって発明・発表されている。
ブラック博士は、その9年前に、フィードフォワードについて発表している。
フィードフォワードは、私が昔、すごいアイディアだと一瞬思ってしまったことと、同じ考えである。
1928年に考えられていたわけだ。私が思いついたのは1977年。50年も前にあったわけだ。
このとき、まだサンスイのスーパー・フィードフォワード・システムは、まだ登場していなかった。
ブラック博士が、フィードフォワードを考えたのは、
長距離の電話回線の中継アンプの不安定さ(レベルの変動)を解消するため、だったらしい。
ベル研究所の力を持ってしても、フィードフォワードはうまく動作しなかったようだ。
そのため、ブラック博士は、発想を180度転換して、NFBを発明している。
フィードフォワードでは演算アンプが必要になる。その演算アンプの精度が低ければ、うまく動作しないだろうから、
つまり親アンプと同等の演算アンプ(子アンプ)となると、それだけでアンプのコストは二倍近いものになるだろう。
それに使用部品が増えれば、それだけ故障発生率も高くなる。
ところがNFBとなると、基本的には抵抗を一本追加するだけですむ。