Date: 11月 26th, 2013
Cate: prototype
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prototype(その5)

ダイヤトーンの水冷式のプロトタイプの展示から、
一、二年後だったか、ヒートパイプを採用したアンプが、国内メーカー数社から登場した。

ヒートパイプとは熱伝導率の高い銅パイプの片側にヒートシンク、
その反対側に出力トランジスターを取り付けられるようになっていた。

出力トランジスターがヒートシンクに直に取り付けられるわけではないので、
複数の出力トランジスターをきわめて接近させて配置することができるようになり、
複数個使用による配線の延長の問題がなくなる。

ヒートパイプが登場する一、二年前から出力トランジスターの広帯域化がはじまっていて、
この手のトランジスターの特徴を発揮するためにも、
ドライバー段から出力トランジスターまでの配線はできるだけ短い方がいい、ということも関係していたはずだ。

ヒートパイプはパワーアンプのコンストラクションをある程度変えるまでのパーツであったけれど、
割と早くにオーディオでは使われなくなっていった。

理由は単純で、ヒートパイプを使うとあまりいい結果の音が得られない、ということからだった。
電気的な配線としての従来の大型ヒートシンクよりも有利にも関わらず、なぜ? と思われる方もいるだろう。

それはヒートパイプの作りにあった。
ヒートシンク部分が、薄い金属で作られていたことが、その原因だといわれた。

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