トランスから見るオーディオ(その20)
トランスはバンドパスフィルターである。
どんなに広帯域のトランスであったとしても、バンドパスフィルターであことには変りはない。
トランスというモノを頭から否定する人は、まずこのところが気にくわないらしい。
それから一次側(入力)と二次側(出力)にそれぞれコイルがあり、
それが鉄芯に巻かれている。そしてふたつのコイルは電気的には絶縁されている。
このこともトランス否定の人は気にくわないようだ。
トランス・アレルギーの人はいる。
でも不思議なのは、そういうトランス・アレルギーの人が、
トランスをいくつも経て録音されたディスクを、いい音だと評価していることてある。
ほんとうにトランス・アレルギーであるのなら、
トランスを使っていた時代の録音は、すべて気にくわないはずなのに。
トランス・アレルギーの人は、再生系のどこかにトランスがひとつでも入っていればすぐにわかる、という。
音が悪くなるからだ、と。
そんなトランス・アレルギーの人でも、トランスを使っていた時代の録音をいいと感じるものがあるのなら、
すくなくとも池田圭氏が、盤塵集に書かれている使い方を試してみてはどうだろうか。