ケーブルはいつごろから、なぜ太くなっていったのか(その13)
それがどういうことなのかはもう忘れてしまった人でも、
右ねじの法則という言葉はうっすら憶えているのではないだろうか。
このブログをお読みの方は当然インターネットに接続されているわけだから、
右ねじの法則の詳しいことについては、検索してみてほしい。
とにかく導線に電流を流せば,その周囲に磁界が発生する。
この磁界がケーブルの振動発生へとつながっていく。
ケーブルに信号を流せばわずかかもしれないが、振動を発生している。
オーディオケーブルの中でもっとも大きな信号が流れるスピーカーケーブルの外被を触ってみたところで、
実感できる振動を感じることはできない。
振動が発生することはわかっていても、ほんとうに振動しているのだろうか、とも思う。
もう20年くらい前のことだが、
ある仕事でビルの変電設備に入ったことがある。
そこにはいまどきのスピーカーケーブルよりもずっと太くて硬いケーブルが使われていた。
芯線の一本一本もちょっとしたスピーカーケーブル並の太さで、
外被も硬くても重たい感じのする材質が使われている。
こんなケーブルを鞭代わりになぐられようものなら、
肋骨くらいは簡単におれてしまうそうな、そんな感じのするごついケーブルである。
そんなケーブルでも変電設備で使われている電流が流されると振動している。
ケーブルをにぎってみると、しっかりと振動が伝わってくる。
かなりのレベルの振動である。こんなにも振動しているのか、と思うほどである。
このとき、やっぱりケーブルは振動しているものだと確認できた。