Date: 9月 23rd, 2013
Cate: トランス
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トランスからみるオーディオ(その17)

池田圭氏は「盤塵集」に、こうも書かれている。
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アンプが広帯域であればあるほどいいという根拠があるかどうかも知らない僕が、その是非を論ずるのも当を得ない話であるが、最近超広帯域形アンプの二、三を使ってみたが、どうにも納得が行かない。使っているうちにこれまでお話した方法でLを使って、狭帯域にして使うことになる。相当数の人がこの方法で実験された話を聞くと、音に落ち着きがでるとか、迫力を生じて音が前へ出る……ということは音量を絞って満足感が得られる。苛立たしさがなくなる。やわらかい味を増す。軽く澄んでしかも深い音になる。騒々しさがなくなって明瞭度が上る。……など、とり止めもなく書くとこうなる。
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もちろんこれらの結果は、池田圭氏の使われていたスピーカーでの結果であるし、
同じ方法で試された方が、どういうスピーカーなのかはわからないものの、
「盤塵集」は30年以上前の本だし、いまどきのスピーカーではないから、
ここでの結果と同じ結果、同じような結果が得られる保証はない。

それでもトランスをうまく使うこと──、
池田圭氏の「これまでお話した方法」というのは、トランスをトランスとして使うのもあれば、
鉄芯入りのコイルとしての使用方法も含まれている。
トランス嫌いの人でも、池田圭氏の方法のひとつは、
それほどアレルギー的なことを感じずに実験できることでもある。

トランスはバンドパスフィルターであるから、信号系のどこかに挿入すれば、帯域幅は狭くなる。
それは池田氏も「狭帯域にして使うことになる」と書かれているとおりである。
ならば、トランスを使わずにコンデンサーと抵抗によるフィルターで、
トランス使用時と同じ特性をつくり出して狭帯域にすれば、もっといいのではないか、と思うかもしれない。

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