Date: 9月 15th, 2013
Cate: スピーカーとのつきあい
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複数のスピーカーシステムを鳴らすということ(その18)

友人だったり、知人だったり、仕事関係の人だったり、
とにかく身近の人が、欲しいと思っていたスピーカーシステムを先に買ったとする。

そういう場合、その人よりも、そのスピーカーシステムに惚れ込んでいると自信をもっていえるのであれば、
同じスピーカーシステムを購入して鳴らすことに、とやかくいうことはない。

けれど惚れ込んで購入した、身近な人がいて、
同じスピーカーシステムを、惚れ込んでいない者が買う行為はやるべきではない。

だから、私はダイヤトーンのDS9Zの購入は、やめにした。

このことを書いていて思い出したことがある。
私がセレッションのSL600を鳴らしていたころの話だ。

オーディオのことで頻繁に会うことの多かった、ある人がSL600を購入した。
彼がSL600に惚れ込んでいないことはわかっていたけれど、
私自身は、身近な人がそういうことをしても気にするタイプではない。

あっ、そうなんだ、ぐらいの気持でしかない。

その彼がしばらくして、「うちのSL600は日本でいちばんいい音で鳴っている」という。
確かに彼が組み合わせていたアンプは、非常に高価なモノで、
ほんとうに日本でいちばんかどうかは断言できないものの、
日本でいちばん高価なアンプで鳴らしている、という意味ではそういえなくもなかった。

それにしても……、と思った。
こんなことを真顔でいう人なんだ、と。
このおもいは、消え去ることはなく、
それから後の、その人の言動によってますます確固たるものになっていった。

私以外にSL600を鳴らしている人がいたら、
きっとその人にも、同じことをいうのだろう。
私はこういう性格だからいいものの、私と違う性格の人ならば、
「うちのSL600は日本でいちばんいい音で鳴っている」といわれたら……、とおもう。

このことがDS9Zのことよりも先にあって、よかった。

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