オーディオ・システムのデザインの中心(その1)

1970年代、1980年代は各メーカーからキットが発売されていた。
有名なところではラックスキットがあった。

キットといえば初心者向きのモノと受けとられがちだが、
ラックスキットは充実していた。

たとえばラックスの管球式パワーアンプMB3045のキットはA3000、
MQ60のキットはKMQ60、
その他にもキットのみのモデルもあった。

コントロールアンプもCL32のキットがA3032、
CL30のキットがA3400として出ていた。

アメリカではダイナコの真空管アンプのキットも有名だった。

その他にもキットはいくつもあった。
ターンテーブルのキットもあり、アンプ、スピーカー、
それにデヴァイディングネットワーク(チャンネルデヴァイダー)もあった。
システムのほとんどをキットで揃えることもできた。

キットがこれだけ充実していたのには、物品税という理由がある。

昭和42年(1967年)、それまで部品扱いで非課税だったオーディオ機器に物品税がかけられることになった。
物品税は15%が基本で、いきなり15%もの課税になると、一挙にオーディオ機器の価格は高くなる。
そのため5%ずつ上げる、という猶予が与えられた。

そうなってもキットは、部品扱いだったため15%の物品税は関係ない。
だからキット販売は、価格をかなり抑えることができた。

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