Date: 8月 11th, 2013
Cate: 楽しみ方
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オーディオの楽しみ方(キースモンクスのトーンアーム・その4)

audio & design(キースモンクス)のトーンアーム、M9BAが想定しているカートリッジは、
SMEの3009と同じシュアーのV15なのだろうか。

V15 TypeIIIは自重6g、針圧範囲は0.75〜1.25gで、ぴったりだ。
可能性としては、これかもしれない。
仮にそうだとしたら、SMEの3009に対抗する形としてのM9BAということにもなる。

そうやってもういちどM9BAをながめると、
SMEのトーンシーム同様、オーバーハングを調整するためにベース上でアーム本体を前後にスライドできる。
使用カートリッジが定まっていれば、
軽針圧カートリッジ専用ということも考え合わせれば、
SMEのトーンアームの、重りを糸吊りしたタイプのものよりも、
マグネット式のアンチスケーティング機構のほうが有利な面も確かにある。

おそらく、このあたりが答なのかもしれない。
でも、シュアーのV15 TypeIIIというのは、個人的には面白みを感じない。
V15以外のカートリッジであってほしい、という気持がある。

針圧範囲からいくつか候補を挙げていくと、
オルトフォンのVMS20、ゴールドリングのG900SE、エンパイアの4000D/III、
エラックのSTS455E、AKGのP8ES、B&OのMMC6000などがある。
これらには1970年代後半のカートリッジも含まれているから、
M9BAが開発された年代にぴったり合うものとなると限られていく。

M9BAの発表スペックで見逃せないのは、線間容量80pFの項目だ。
M9BAの出力ケーブルをコネクターを介することなく出ている。
割と細目の線で、見るからに低容量のケーブルであることは推察できる。

あえて線間容量を発表していること、しかもその値が80pFと低いことから考えられるのは、
M9BAが想定しているカートリッジの出力インピーダンスは高めのものだということも考えられる。

となるとエラック、オルトフォン、シュアーあたりなのだろうか。

答はどこまでいってもひとつに絞れない。
絞る気もないから、こんなことをあれこれM9BAを手にとりながら考え、
また箱におさめた後でも、細部を思い出しながら考えている。

無駄なことを……、と思う人もいることだろう。
でも、こういうのがけっこう楽しいのだ。
そして気がつくことがいくつか出てくるから、また楽しくなる。

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