Date: 7月 26th, 2013
Cate: ベートーヴェン
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シフのベートーヴェン(その2)

アンドラーシュ・シフのベートーヴェンのピアノソナタ。
最後の三曲をおさめたVol.8を聴いて、そこに「ないもの」を感じとった。
そのことは、この項の(その1)に書いている。

このシフのベートーヴェンを手に入れてしばらくは集中して聴いていた。
いい演奏だ、と思う。
たしかに「ないもの」があることは、私にとっては事実であるが、
このベートーヴェンが、高く評価されることに否定的であったり、どこかおかしいと思ったりはしない。

それで、いまもシフのベートーヴェンを聴いているかというと、
一年以上聴いていない。
もっともベートーヴェンのピアノソナタの、最後の三曲はそうたびたび聴く性質のものでもないから、
そんなことも関係しているといえばそうなるけれど、
他のピアニストによるベートーヴェンのピアノソナタは聴いているわけで、
シフのディスクに手が伸びることがなくなった、ということになる。

ECMになってからのシフの素晴らしさに気づかせてくれたのは、
ある人からもらったバッハのゴールドベルグ変奏曲のCDだった。

それほど深い付き合いではない人から、
「気に入ると思って」という言葉とともにもらった。

アンドラーシュ・シフだ、懐かしいなぁ、とその時は思っていた。
1980年代、シフがデッカに録音していたころ、
シフの新譜は必ず聴いていた時期があった。

グールドのバッハは素晴らしい、
シフのバッハも、またいいな、と思い、このときもシフのCDを集中的に聴いていた。

あのときも、いつのまにかシフのCDに手が伸びなくなっていた。

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