黄金の組合せ(その18)
必要量とは、いったいどれぐらいのもの・ことなのだろうか。
昔の高能率のスピーカーユニット、スピーカーシステムは100dB/W/mをこえる出力音圧レベルをもつ。
いまどきの低能率のスピーカーよりも10dB、ときには20dBほどレベルが高い。
ということはアンプの出力もそれほど大きなものは必要としない、といえる。
それに、そのころのスピーカーのインピーダンスは16Ωが一般的だから、
同じ1Wでも、電流の値は8Ωよりも小さくてすむ。
最大音圧時でも、これだけの電流しか流れない、
だからスピーカーの入力端子は、これだけの容量のものでことたりる、という考えができる。
その一方で、音質を追求するのであれば、少しでも音が良くなるのであれば、
より太いスピーカーケーブルをしっかりと接続できる端子が必要ということにもなる。
アンプの出力にしても同じように、ふたつの考え方ができる。
どちらも必要量といえば、そうなる。
コントロールアンプの後に接続されるのはパワーアンプである。
パワーアンプの入力インピーダンスは、コンシューマー機器において高い値になっている。
いまでは10kΩが多いが、AGI・511の時代は47kΩ、50kΩが多かった。
真空管アンプでは100kΩもあった。
低いインピーダンスの代表は、GASのAmpzillaの初期モデルの7.5kΩである。
これらの値の入力インピーダンスの機器に、1Vなり2Vの信号を送り出したときに、
ケーブルに流れる電流を計算してみると、いかに少ないかがわかる。
そんなことを考えれば、コントロールアンプの電源の容量(必要量)はさほど大きくなくてもすむ──、
そういう考えが、まずひとつとしてある。