Date: 1月 26th, 2010
Cate: オーディオ評論
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オーディオ評論家の「役割」、そして「役目」(番外)

仕事で、老人ホームに行ってきた。
ほとんどのところで、居室のテレビは液晶タイプになり、
食堂やホールの広いところに置いてあるテレビも、薄型のものに替えられている。

そういうところに行くたびに感じるのは、薄型テレビの音の悪さと、
入居者の人たちのテレビを見ているときの表情がなくなりつつあることの関係性である。

数年前まではほとんどのところで、ブラウン管タイプのテレビで、音は良くはないものの、
音声は、まあはっきりと聴きとれていた。

いまの薄型テレビは音量だけは出ていても、もう何を話しているのか、少し離れると、
とくに広い空間のところでは聴き取り難い。

こんな不明瞭な音で、高齢の入居者の人たちは、テレビの音声が聴きとれているのか。
だからだろう、テレビを見ている、というよりも、ただ眺めているだけ、という印象を受けてしまう。

以前は、テレビの内容に対して、もっと反応があったはず、と私は記憶している。
何を話しているのかわからなければ、テレビを見ていてもつまらない。

その音の悪い薄型テレビは、日本の大手企業がつくっているモノだ。
はじめて聞くようなブランドのものではない。

おそらく、それらの製品は、ホームシアター関係の雑誌では、そこそこの評価を得ているであろう、
そういうランクのものである。
ホームシアター関係の評論家は、そこそこ褒めているのだろう……。

施設を管理している側は、いいテレビを導入した、と思っているはず。
なのに……、である。

入居者の人たちに必要なのは、評判の薄型のものではなく、人の声がはっきりと聴きとれるテレビのはずだ。

3 Comments

  1. SSSS  
    1月 26th, 2010
    REPLY))

  2. ホームシアター関係の雑誌は書店で立ち読みする程度ですが、薄型テレビの音を評価する記事や、そこそこ褒めている記事は記憶に無いですね。
    ホームシアター関係の雑誌が音をテーマにする場合は、テレビ単体ではなく、オーディオ装置内蔵の専用テレビ台か、もしくは、サラウンドシステムについてですね。
    メーカー側も、サラウンドシステムはともかく、専用テレビ台をセット売りしたいという意図の元、テレビ単体の音をあえて悪くしていると確信しています。
    その理由は、ちゃちな造りの専用テレビ台がテレビ単体に比べて異様に高価なことと、現在販売されているテレビに外部スピーカー端子を備えたものが皆無なことです。
    専用テレビ台の内蔵アンプも、テレビの内蔵アンプも共にICアンプ(昨今はデジタルアンプ)で、その質は何ら変わりません。
    そして、テレビに外部スピーカー端子を設けるコストは微々たるものです。
    さらに、専用テレビ台の内蔵スピーカーの質は、ミニコンポのスピーカーにさえ遠く及びません。
    つまり、テレビに外部スピーカー端子を設けておき、オプションでスピーカーを販売するより、専用テレビ台を販売した方がメーカーは儲かるのです。
    ユーザーがオプションのスピーカーを購入せず、既に持っているものを使われたり、他のメーカー製品を使われたりすれば、なおさら儲からなくなりますしね。
    過当競争でテレビ単体の販売では儲からないメーカーの、良く言えば苦肉の策、悪く言えば姑息な手口でしょう。

    1F

  3. SSSS  
    1月 26th, 2010
    REPLY))

  4. このように考えたのは、大画面(とは言ってもたかが45インチですが)の薄型テレビを実際に購入したところ、地デジの画質の良さと大画面の迫力に比べて、あまりの音の悪さに愕然としたからです。
    テレビを置くスペースは作り付けの台があるため、専用テレビ台は置けないし、高価な割に音の悪い専用テレビ台を購入しようとはそもそも思わないし、サラウンドシステムを買うまでもないし、と困惑しました。
    結局、テレビの裏蓋を開けて、内蔵アンプと内蔵スピーカーを接続するヒュートン端子を外し、裏蓋の放熱孔にスピーカーケーブルを無理矢理差し込み、内蔵アンプの出力ケーブルのヒュートン端子に差し込んだスピーカーケーブルを接続して、以前使っていて物置に転がしておいたスピーカーを繋いだ次第です。

    2F

    SSさま
    コメント、ありがとうございます。
    ホームシアター関係の本は立読みもしないので、勝手に想像して書きましたが、
    さすがに薄型テレビの音を、褒めている人はいなんですね。
    薄型テレビの音を良くするのは技術的にも難しい面があるのでしょうが、
    それでも、最低、人の声を明瞭に聴かせることは、メーカーの責任として、きっちりと行なうべきと思います。
    そして評論家は、メーカーの代弁者であるだけでなく、ユーザーの代弁者でもあるわけで、
    ホームシアター関係の評論家を名のっている方々には、きっちりとその役目を果たしてほしい、
    オーディオ機器よりも、いろんな場所で使われるテレビですから、そのことをつねに念頭においてほしい、と思っています。

    3F

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