オプティマムレンジ考(その2)
「Harkness」で、いまは聴いている。
岩崎先生の「Harkness」にはD130と175DLHがはいっていて、
ネットワークはN1200(クロスオーバー周波数は型番が示すように1200Hz)。
このシステムの周波数特性がどのくらいなのか実測データは見たことはない。
けれどエンクロージュアのC40はバックロードホーン型。
音道は6フィート(約1.8m)だから、計算上では190Hzあたりにディップが生じる。
そのオクターヴ下のところが少し持ち上がり、それより下の帯域となると、
ホーンの開口部の大きさも含めて考えると、
これだけのサイズのスピーカーと38cm口径のウーファー(フルレンジ)の組合せにしては、
お世辞にも下まで延びている、とはいえない。
高域についても175DLHだから13kHzあたりまでだろうか。
いまの基準からみればはっきりとナロウレンジなスピーカーシステムである。
私自身はワイドレンジ志向である。
なのに聴いていて「狭い!」と思うことは、そんなに多くはない。
録音された年代にも関係してくるのだが、過不足ない帯域幅とも感じるし、
高域も低域も、やはり延びが足りない、と感じることがないわけではない。
とはいえボリュウムをぐっと絞って聴いていると、
ナロウレンジ感は薄まっていくようにも感じられる。
とはいえナロウレンジなスピーカーであるのだから、いっそのことと思い、
D130をソロで鳴らしてみた。