オーディオ機器の調整のこと(続々・認識の違い)
JBLの4350、4355を自分で一から調整したことがあれば、
こんなふうにユニットのデータをもってこなくても、確実なことがいえるのだが、
すでにレベル調整されていた4355のレベルをいじったことはある程度なので、
結局こんな言い方になってしまった。
なぜこんなことを書いているかというと、
ある人が4350を鳴らしていて、パワーアンプは二台とも同じモノを使っている。
つまりゲインもパワーも同じだから、レベル調整はしていない、ということを耳にしたからだ。
仮に4350の2231A二発からなる低域と、
250Hzより上を受け持つセクションとの出力音圧レベルがまったく同じであったとしても、
それでもレベル調整はするものだという私の考えからすると、
これには「調整」ということが何を意味してるのか、
その意味をどう捉えているのか、
調整という言葉をどう使っていったらいいのか、
そんなことを考えてしまった。
4350はJBLのプロフェッショナル用のスピーカーシステムである。
いいかえればプロフェッショナルが使うこと・鳴らすことを前提としている。
4350と同等のスピーカーシステムを、もしJBLが開発していたら、L500という型番で出していたかもしれない。
仮のモデルとしてL500を考えてみると、
バイアンプ駆動であっても、低域部と250Hz以上を気もつセクションとの出力音圧レベルは揃えるであろう。
せっかくの高能率ユニットからなる中低域以上のレベルを多少落すことになったとしても、
コンシューマー用スピーカーシステムとしての使い勝手を重視して、
同じパワーアンプを二台用意すれば、特にレベル調整の必要なく鳴るようにする。
だが4350はL500ではない。
あくまでもプロフェッショナルが使う(鳴らす)スピーカーシステムであるから、
そういった配慮は要らないのだから。