Date: 7月 6th, 2013
Cate: トランス
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トランスからみるオーディオ(その13)

3Dプリント技術が行き着くところは、レプリケーターなのだろうか。

レプリケーターとはスタートレックに登場する装置の名前である。
スタートレックを、テレビ、映画で一度でもご覧になれば、
転送装置という瞬間的に移動できる装置に気づかれる。
レプリケーターは、この転送装置の発展形でもあり、
分子レベルで実物(オリジナル)とほとんど変らぬコピーを、エネルギーさえあればいくつでもつくり出せる。

しかもサイズの拡大縮小も可能という設定になっているから、
これこそ未来の3Dプリント技術といっていいように思ってしまう。

このレプリケーターがあれば、そしてオリジナルの正確なデータがあれば、
さらにエネルギーの使用に制限がなければ(設定上ディテールの追求することはエネルギーの消費が増える)、
さまざまなオーディオ機器のコピー(レプリカ)が、オリジナルといっていいレベルで存在することになる。

マランツModel 7はいまも高値で取引きされている。
別にModel 7に限らず、過去の銘器と呼ばれたオーディオ機器は決して安くはない。
中にはジャンクとしか呼べないモノもある。
これから先、ますますコンディションのいい、そういったモノを手に入れることは難しくなっていく。

でもレプリケーターが実現されれば、
スタートレックの世界は23世紀、24世紀という設定であるから、
いまから200年後、300年後のほうが、いまよりも程度のいい、
というか新品そのもののModel 7を誰もが手に入れることができるようになる──、
そんなことを夢想したくなる。

荒唐無稽な……、と思われるだろうが、
私も含めて、これを読まれている方が生きているうちは、確かに実現は無理なこと。
そんなことはわかっているし、レプリケーターの原始的なレベルのものすら、
生きているうちには見ることはない、と思っていたところに、
3Dプリント技術が話題になりつつある。

こういうものも3Dプリント技術でアウトプットされているのか、
そんなふうに感じるニュースを読んでいると、レプリケーターの原始的なモノであれば、
もしかすると生きているうちに登場してくるかもしれない。
そうも思うようになってきた。

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