オーディオ機器の調整のこと(続・認識の違い)
4350の中低域より上の帯域を構成するユニットの中で、
出力音圧レベルの低いのは、ミッドバスの2202Aということになる。
だからこのセクションの出力音圧レベルは2202Aの出力音圧レベルの同じということになる。
その2202Aの出力音圧レベルだが、実のところはっきりしない。
最初の頃は96dB/W/mとなっていたのが、1978年ごろから99dB/W/mへと変更になっている。
3dBの違いがある。
96dBであれば、2231A二発によるウーファーとほぼ同じ出力音圧レベルということになるのが、
98dBであれば、2231A二発よりも3dB程度高いことになる。
どちらの値が正しいのか。
2202Aは30cmのコーン型ユニットだが、
磁気回路は38cmのウーファーと同等の設計と物量が投入されている。
JBLが発表している”THIELE SMALL LOW FREQUENCY DRIVER PARAMETERS AND DEFINITIONS”によれば、
2202AのMms(Effective moving mass)は50g、2231Aは151gである。
磁束密度はどちらも同じで1.2テスラ。
BL積は2202Aが22、2231Aが21と、わずかだが2202Aの方が高い。
これらのパラメーターで正確な出力音圧レベルがわかるわけではないものの、
2202Aが96dBということはないように、実際に4350Aを聴いた経験からも、
そして4350B、4355を聴いた経験からも99dBの方が鳥瞰的には納得できる値である。
4350B、4355には2202Aのフェライト仕様がついていて、
4355の出力音圧レベルは、290Hz以下が96dB/W/m、290Hz以上が99dB/W/mとなっていることからも、
4350A、4350Bの中低域より上(250Hz以上)は99dB/W/mと考えていい。