598というスピーカーの存在(長岡鉄男氏のこと・その2)
別冊FMfan 17号の記事を、長岡鉄男氏はこんな書き出しで始められている。
*
プレイヤー・システムについての考え方も、プレイヤーそのものも、この十年間あまり変わってはいない。基本的には、動くものは丈夫で軽く、それを支えるものは丈夫で重く、そしてトータルバランスを重視するということである。
*
これが1978年のことである。
facebookでのコメントには、こうあった。
*
氏の著書『オーディオA級ライセンス』には「重量は、筆者の製品選びの最重要ポイント」と記述されていたことを申し添えます。
*
「オーディオA級ライセンス」が出ていたことは私だって知っている。
読んだことはない。いつ出たのかは知らないけれど、1978年よりも後のことのはずだ。
読んでいないし持ってもいないから「重量は、筆者の製品選びの最重要ポイント」の前後の文章は不明である。
だから、この「重量は、筆者の製品選びの最重要ポイント」に絞って、書いていく。
1978年の時点でも、重量を重視されていたことはわかる。
けれど「トータルバランスを重視する」とつけ加えられている。
「オーディオA級ライセンス」では、この点についてはどう書かれているのであろうか。
1978年の長岡鉄男氏は、2ページ見開きの記事の中に「トータルバランス」を四回使われている。