Date: 5月 17th, 2013
Cate: アナログディスク再生
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ダイレクトドライヴへの疑問(その17)

使いこなしのこと(その17 続×十一 補足)」の最後のところで、
EMTの930st、927Dst、トーレンスのインナーターンテーブルのシルエットはコマであると書いた。

コマは、その加工精度が高いほど回転が安定し回転している時間も長くなる。
つまりターンテーブルをコマと見立てるのであれば、
ブレることのないシャフトをもつ、ターンテーブルプラッターのどこにも偏りが存在せず、
というのがターンテーブルの在り方となる。

コマは高速回転しているほど、
そして加工精度が高ければ高いほど、止っているようにも見える。
それは回転しているから静止しているようにも見えるわけである。

回転が遅くなってくると、コマはブレはじめる。不安定状態になる。
やがて倒れてしまう。

ターンテーブルとコマと完全に同一視してしまうのはどうかとも思いながらも、
安定した回転、静止したようにも見える回転状態を考えると、
アナログディスク再生の難しさのひとつは、
ターンテーブルプラッターが低速で回転していることにある、といえるのではないだろうか。

1分間で33 1/3回転(つまり3分間で100回転)は、コマの回転速度としては遅い。
コマとターンテーブルプラッターとの直径の違い、重量の違い、
シャフトが軸受けに収まっているかどうかという違いがあるのはわかっている。

それでも回転体としての安定ということについては、
加工精度と回転速度が大きく関係しいてることには変りはない。

LPの回転数は33 1/3回転と決っているのだから、
ここで回転数(回転速度)が遅いのがアナログディスク再生の問題ではないか、
といったところでどうにかなるわけではない。

それでも高速回転しているコマは、コマ同士をぶつけ合った際にも回転の弱いコマ、
精度の落ちるコマをはじき飛ばすことができる。
ということは高速回転することで、外乱要素に対しても強いのではないのか。

回転数が遅いほど、外乱要素を受けやすくなる──、
そんな気もしてくる。

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