私的イコライザー考(妄想篇・その4)
なぜこんな大がかりで、思いついた時には実現がほぼ無理なことを考えたかというと、
グラフィックイコライザーである帯域を絞ったとする。
例えばテクニクスのグラフィックイコライザーSH8065は±12dBとなっている。
100Hzのノブを下まで下げれば12dB減衰する。
100Hzといえば、ほとんどのスピーカーシステムでウーファー受け持つ周波数である。
ウーファーのカットオフ周波数が低く設定される4ウェイ構成であっても、
100Hzはウーファー受け持っている。
JBLの4343は300Hzがミッドバスとのクロスオーバー周波数となっているから、
グラフィックイコライザーで100Hzを12dB減衰させたとして、
本当にきっちり12dB減衰するのだろうか、という疑問がまずあった。
つまり4343のウーファー2231Aは、音楽信号に含まれていれば、
100Hz近辺の信号を音に変換している。
80Hzの音も125Hzあたりの音も2231Aが出していて、
100Hzの音を12dB減衰させたとしても、100Hz近辺の音が鳴っていれば、
2231Aのコーン紙は近辺の周波数の振動の影響を受けているわけだから、
きっちり100Hzを中心とした1/3オクターヴの帯域幅を12dB減衰させることはできないのではなかろうか、
そう考えたわけである。
ならば100Hzの音をきっちりグラフィックイコライザーでの減衰量と一致するようにするには、
グラフィックイコライザーが33素子であるならば33ウェイとするしかない。
それで、こんな馬鹿げたことを考えていた。
そしてこれならばある帯域の音を完全に鳴らないようにもできる。
100Hzの帯域を受け持つパワーアンプの電源をきるなり、入力にレベルコントロールがあれば絞りきればいい。
そうすればグラフィックイコライザーでの100Hzと表示されている帯域に関しては完全に削りとることができるし、
櫛の歯が何本も欠けたような周波数特性もつくれる。
そういう音を聴いてみたい、確認したい、と思っていた時期があった。