Date: 4月 28th, 2013
Cate: D130, JBL
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D130とアンプのこと(その43)

S9500登場以前のJBLのスピーカーシステムといえば、
1976年に発表された4343を筆頭とするスタジオモニターが、その代名詞となりつつあった。

コンシューマー用のスピーカーシステムも、もちろんあったし、新製品も登場していた。
1980年代にはそれまでのJBLのラインナップとはやや異る特色をもつL250が登場したものの、
すくなくとも日本では4343、それに続いた4345、4344の人気が圧倒的に高く、
本来の実力の割には話題にのぼることは少なかった。

S9500はそんなJBLのコンシューマー用スピーカーシステムの頂点としてだけではなく、
JBLのスピーカーづくりの、あの時点での集大成ともいえる内容と外観をもつ登場した。

素材面でそれまでのJBLでは採用してこなかったモノを大胆に使い、
コンクリートの台座を含める4ピース構成という、エンクロージュアを分割させている。
他にもいくつかの特徴をもつ中で、出力音圧レベルが97dBと、
4343の93dBと比較して4dBも上昇している。

JBLの、いわば原器といえるD130の100dBをこえる、
いまとなっては驚異的ともいえる高能率ほどではないにしても、
1989年に97dBの出力音圧レベルは充分高能率スピーカーといえる値になっていた。

しかもS9500はD130よりもずっと周波数レンジが広い。
S9500は2ウェイだから広くて当然ということになるが、低域に関してもより低いところまでのびている。
レンジの広さと高能率の両立を実現している、ともいわれたS9500は、
ほんとうに高能率スピーカーといっていいのだろうか。

S9500のカタログの出慮音圧レベルの項目には、こう記してある。
97dB/2.83V/m、と。

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