ローインピーダンス型カートリッジのメリット(その1)
いま別項「D130とアンプのこと」で、ローインピーダンスのカートリッジについて書いていて、
ひとつ、技術的なメリットを思い出した。
それはカートリッジ実装状態のフォノイコライザーのノイズが減る、ということ。
このことはステレオサウンドでも活字になっているので、記憶されている方、ご存知の方もおられるだろう。
ステレオサウンド 76号での「読者参加による人気実力派スピーカーの使いこなしテスト」の基礎篇にある。
このときの試聴で使っていたコントロールアンプはQUADの44。
44にはCDプレーヤー(パイオニアD9010X)と
アナログプレーヤー(トーレンスTD126MKIII)が接続されていて、主に試聴はCDで行われていた。
ある程度セッティングを詰めていったところで、
それまでTD126MKIIIにつけていたカートリッジをMM型からMC型へと交換して、CDの音を聴いている。
このときのMM型はスタントン、ピカリングのローインピーダンス型ではなく、一般的なハイインピーダンス型。
カートリッジを交換して聴くのはアナログディスクではなく、CDである。
にも関わらず、音ははっきりとよい方向へと変化する。
そのときの音の変化を、
読者代表として参加されていた舘一男さん(早瀬文雄氏)と井上先生はこう語られている。
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舘 これは好き嫌いの問題というよりも、MC型に変えた方が、SN比がよくなり、CD再生のクォリティが上りますね。
井上 CDを聴いている時の大きな問題のひとつとして、フォノイコライザーからのノイズの飛びつきがあります。この問題を解決するには、CDを聴いている時はイコライザー部の電源が落ちるか、イコライザーの出力にミュートをかけてほしいんだけど、現在ではそれを望むのは無理。だから、CDを本気で聴きたいときは、アナログ入力を外してショートピンを差すか、もしくはローインピーダンスのMC型カートリッジをつけてやるといいでしょう。インピーダンスの低いカートリッジだと、等価的に入力がショートされた状態になりますから。
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このメリットは、なにもCD(ライン)入力のみ作用するわけではない。