世代とオーディオ(JBL 4301・その4)
JBLの4301の試聴記が載っているステレオサウンド 46号には測定結果も載っている。
その中にはトータルエネルギー・レスポンスとして、
残響室内でのピンクノイズとスペクトラムアナライザーによる周波数特性がある。
これが他のJBLのスタジオモニター(4331A、4333A)よりもずっと優秀で、かなりフラットに近い。
JBL同士の比較だけでなく、46号で取り上げられているスタジオモニター17機種の中でも、
優秀といえるレベルだった。
意外な感じだった。
17機種の中でももっとも安価な、一本65000円の4301が、
ずっと高価な、スピーカーユニットにしても本格的なものを搭載しているシステムより優秀な特性を示している。
もちろんすべての測定結果について優れているわけではないものの、
トータルエネルギー・レスポンスに関しては、
この結果だけを見ていたら、65000円のスピーカーシステムとは思えなかった。
理由はいくつか考えられるが、
4331A、4333Aよりも、JBLのスタジオモニターとして新しい時代のモノであることも関係しているだろう。
とはいえ一本65000円の4301。
瀬川先生の試聴記にもあるように、
4301と同等クラスのアンプやプレーヤーで鳴らした場合には、
46号での試聴記にあるような結果は得られないことは、これを読んだ時にも思っていた。
だからだろう、この項の(その1)でOさんがL26と比較したけれど、
4301がそれほどいい音は思えなかったのは。
でも、だからこそ46号を読んだ時、4301が欲しくなっていた。