Date: 2月 3rd, 2013
Cate: plus / unplus
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plus(その2)

そのときの変化を1963年生まれの私は体験していたわけではないけれど、
それでもアクースティック蓄音器から電気蓄音器への変化、
つまり電気というエネルギーが加わったことは、
オーディオの歴史の中でもっとも大きな「もの」の加わりであるとともに、
機械仕掛けに電気仕掛けが加わった、ということでもある。

アクースティック蓄音器はいうまでもなく純粋な機械仕掛けによる音を出す器械だった。
そこに電気が加わるということは、エネルギーとともに電気による仕掛けが加わり、
ときには機械仕掛けを電気仕掛けに置き換えることになり、
電気仕掛けが機械仕掛けを侵略していった侵蝕していった、といういいかたもできよう。

いまやオーディオは機械仕掛けよりも電気仕掛けのほうが主である。

おそらく最後の機械仕掛けとしてのこるであろうスピーカーシステムにしても、
いまどきのスピーカーシステムのネットワークの複雑さ、規模の大きさをみていると、
スピーカーシステムの電気仕掛けのしめる割合が増してきているわけで、
最少限の電気仕掛けだけしかもたないスピーカーシステムは、
旧い時代のスピーカーシステムであるのか、
それともこれから先スピーカーそのものが進歩していったとき、
最少限の電気仕掛けになっていくのか。

そのときには、なにか新しい機械仕掛けが加わるのだろうか。

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