Date: 2月 2nd, 2013
Cate: D130, JBL
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D130とアンプのこと(続々続・音量のこと)

マッキントッシュのMC2300は出力にオートフォーマーをしょっている。
一種のバンドパスフィルターでもあるわけだから、
一般的な、出力トランスやオートフォーマーを持たないパワーアンプと比較すれば、
MC2300の周波数特性も多少は狭いといえても充分な周波数特性は確保しているし、
349Aアンプは可聴帯域で、低域も高域も下降し始めているのだから、
このアンプと比較すればずっと広帯域のパワーアンプ、しかも出力も300Wとひじょうに大きい。

8Wと300Wの出力の差は、そのままアンプの規模の違いにもなっている。
349Aはモノーラル構成、MC2300はステレオ仕様という違いもあるのだが、
重量、容積ともにMC2300は物量投入のパワーアンプであり、
349Aのアンプはかわいらしい感じすらする小型のアンプだ。

しかも349Aのアンプは、ウェストレックスのA10の回路そのままだから、
出力トランスの2次側からのNFBはかかっていない。
出力段の349AもNFBループには含まれていない。

そういうアンプが、それまでのイメージをくつがえす音を鳴らしてくれた。
その音は、まさに井上先生がいわれている
「比較的に小音量で鳴らすときにはハイファイというよりは、ディスクならではの蓄音器的なノスタルジックな響き」
なのだった。

8Wはパワーアンプの出力としては小さな数字ではあるものの、
D130系のユニットにとっては、音量の制約は気にすることのない必要十分な出力なのだが、
349Aのプッシュプルアンプで鳴らすJBLのユニットは、
むしろ大音量で鳴らされるよりも小音量で鳴らされることを望んでいるかのような鳴り方に、
私の耳には聴こえた。

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