電源に関する疑問(その8)
配線を短くしたいと、あれこれ考えるのは、部品それぞれに異る大きさがあるからだ。
回路図上ではトランジスターも真空管も、抵抗もコンデンサーも記号としての大きさにそれほどの差はない。
それにコンデンサーにしても、電源用の平滑コンデンサーの大容量のものと、
位相補償用の、pF単位の小容量のコンデンサーとでは、記号の大きさは同じでも、まるっきり実際の大きさは異る。
それにやっかいなのは熱を出す部品もあり、熱に弱い部品もあるということ。
放熱器を大きくすることで、配線が長くなるのが問題ならば、
熱を極力出さないようにするというのも、ひとつの解決策であろう。
純B級と呼べるほど出力段のトランジスターに流すアイドリング電流を極力小さくすることで、
ほとんど放熱器をなくしてしまえば、配線の問題だけでなく、
パワートランジスターと放熱器の振動の問題も、かなりおさえられることになる。
スイッチング歪、クロスオーバー歪に関しては、高速な素子の使用、回路の工夫でなんとかできれば、
B級アンプならではの活かし方が生れてくるだろうし、
チェロのアンコール・パワーの内部を見ていると、そんなふうに思えてくる。