Digital Integration(デジタル/アナログ変換・その1)
デジタル信号はどこかでアナログへと変換しなければ、
われわれは音として聴くことができない。
一般的にはCDプレーヤーであれば、内蔵されているD/Aコンバーターによってアナログ信号へと変換される。
D/Aコンバーターを別筐体としたものもある。
CDプレーヤーが登場する数年前に、
ビクターはデジタル・スピーカーというプロトタイプを発表していた。
ボイスコイルを複数設けることで、スピーカーのところでデジタル/アナログ変換を行う。
ゴールドムンドはデジタル伝送経路を拡張するために、
パワーアンプへD/Aコンバーターを搭載することもやっている。
とにかく、どこかでアナログへの変換が必要になる。
これらのことはデジタルのなかのPCM信号であり、
デジタルでもDSD信号となると、カッティングヘッドにDSD信号をそのまま入力すれば、
音溝を刻める、ということを以前聞いたことがある。
たしかに、数年前タイムロードのイベントで、
dCSのトランスポートの出力(DSD信号)を直接コントロールアンプのライン入力に接いだときの音を思い出すと、
カッターヘッドにDSD信号を入力する、という、これもひとつのデジタル/アナログ変換ということになる。
ほんとうにカッティングが可能なのか、
可能だとしたら、どの程度のクォリティが得られるのか、興味のあることだが、
個人で実験できることではない。