「ラジカセのデザイン!」(続々続々・余談)
いまでこそ変っているけれど、
以前のJBLのレベルコントロールは連続可変で、巻線型を使っていた。
レベルコントロールのツマミをまわすと、巻線の上を擦っている感触が指先に伝わってくる。
JBLのユニットには能率の誤差がわずかとはいえあることは、以前別項で書いた通りだ。
それに実際のリスニングルームに設置されれば、左右の条件がまったく同一であることはあまりないから、
レベルコントロールを微調整することが聴き手に要求される。
はじめは少し大きくレベルコントロールを動かし、少しずつその範囲を狭めていく──、
そうやって微調整の範囲にまでくると、ほんのわずかの差で音のピントが合いもするし、ズレもする。
正直、もう少し精度の高い信頼性も高いアッテネーターを使ってほしい、と思う。
けれどそんなことをいってもしかたない。ついているのは、そんな,いわばヤクザな巻線型のモノだから。
そんなレベルコントロールだから、微妙な調整をしていくのも、
JBLのスピーカーシステムを鳴らしていく面白さでもあり、
そうやってベストと思える位置をさぐり出せたら、もう動かしたくはない。
4411も4311も、巻線型のレベルコントロールだった(はず)。
だから、その意味では微調整を加えたら、動かしたくはない──、
そういう使い方もある。
でも、ここでの組合せで私が求めているのは、ラジカセ的な使い方ができる組合せであり、
ラジカセで音楽を聴いていたときのような聴き方で楽しみたいから、なので、
細かく微調整をしていき、あるポジションをさぐり出すのではなく、
積極的に、最適ポジションなどまったく気にせずにレベルコントロールを動かす、
そういう楽しみ方をしたい。
それにはサランネットをつけてしまうとレベルコントロールが隠れてしまうスピーカーよりも、
4411、4311のようにレベルコントロールはつねに表に出ているスピーカーが,使い良い。