ショルティの「指環」(その6)
ショルティの「ラインの黄金」のCDを聴くまでには、
そういったLPを数多く聴いては、何度か、いままで聴けなかった音の良さに驚いてもいる。
それに以前書いたように、はじめて聴いたCDは、小沢征爾指揮の「ツァラトゥストラ」であり、
そのときも、その凄さに驚いている。
だから、「ラインの黄金」が当時、いかに優秀録音ということで話題になっていたとしても、
その時ですら、20年以上前の録音だから、まぁ、音の良さに驚くこともなかろう、と高を括っていた。
聴きはじめると、カルショウが積極的に打ち出していた「ソニック・ステージ」が伝わってくる。
そのおもしろさに耳は集中する。それに聴きどころも多い。
いよいよワルハラ入場のところで、ハンマーの強烈な一撃が鳴る。
冷静になれば、このハンマーの音より、凄いだけの音は耳にしている。
それでも、このハンマーの音には、驚く。
それは単に音の良さだけでなく、いかにも音楽として、ワーグナーの音楽として効果的であったからだ。