Date: 9月 29th, 2009
Cate: 録音
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ショルティの「指環」(その2)

岡俊雄先生は、「マイクログルーヴからデジタルへ」(ラジオ技術社刊)のなかで、
ショルティ/カルショウによる「指環」の「ラインの黄金」について、こう書かれている。
     *
《ラインの黄金》は一九五九年のというより、レコード史上でもっとも大きな話題を集めたレコードのひとつであったことはたしかである。(中略)
このレコードの数多い聴きどころのなかでも最大のものは、第六面の神々のワルハラ入場のための雷神ドンナーが虹の橋をかけるところだ。低域の上昇音型がクレシェンドして、その頂点がハンマーの強烈な一撃が入る。ここの部分は当時のステレオ・レコードとしては信じがたいほどのハイ・レベルでカッティングされていて、うまくトレースするカートリッジが少なかった。
     *
「ラインの黄金」が衝撃だったことは、ステレオサウンドにいたころ、Tさんからも聞いている。
Tさんは、五味先生の友人で、もとレーダー技術者という人だ。

根っからの技術者らしいTさんは、どちらかといえば淡々と話される方だったが、
「ラインの黄金」については、すこし興奮された口調で、当時の衝撃を思い出しながら語られた。

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