Digital Integration(その6)
デジタルスピーカー・システムの効率は、いまの段階でもかなり高いと思われるし、
これから先、開発がすすんでいけば、さらに高くなっていくことだろう。
スピーカーユニットが、磁気回路、ボイスコイル、振動板という組合せから構成される、
スピーカー誕生のときからの基本構造が、抜本的に変化しないかぎり、
電気信号(入力信号)の音への変換効率は、それほど高くすることは、そうとうに困難なことである。
いま存在しているものよりも、
ずっと強力な磁気回路、ずっと軽くて丈夫な振動板といったものが開発されたとしても、
変換効率が、50%をこえることができるだろうか。
スピーカーの変換効率は、想像以上に低い。
いまでは、どちらかといえば高めの出力音圧レベル92dB/W/mのスピーカーで、効率1%である。
99%の電気信号は、熱となって消費されていく。
20Hzから20kHzまでの可聴帯域をほぼカバーしながら、50%は無理としても、
20から30%ていどの変換効率のスピーカーを実現できたら、オーディオは大きく変化していくことだろう。
くり返すが、私がいきているうちには、そんなスピーカーは現われてきそうもない。