Date: 6月 29th, 2012
Cate: D130, JBL
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D130とアンプのこと(その17)

ダンピングファクター可変機能を搭載したアンプとして、
しかもここではタイトルに「D130」とつけているのだから、
絶対に忘れてはならないアンプにはJBLのパワーアンプがある。

ここでいうJBLのアンプとはいうまでもなく1960年代に登場した
SE401、SE400S、SE460といった一連のシリーズのことである。

これらのアンプにはイコライザーカードが用意されていた。
SE401用は左右チャンネルを1枚にまとめていた。
SE400Sからは左右チャンネルが分けられるようになって、
カードの型番はM11からM25までとF65の計16枚が用意されていた。

これらイコライザーカードを挿し込むことで、
スピーカーシステムに応じた周波数特性、ダンピングファクターが設定される、というものである。
具体的には、どの程度特性が変化するのか、
そのへんに関する資料を私は持っていないので詳しいことは書けないけれど、
これらのアンプと一緒に出ていたプリメインアンプのSA600の出力インピーダンスは0.35Ω、
そのパワーアップ版のSA660が025Ωだから、SE401、SE400Sの出力インピーダンスもこの値といっていいはず。

ということは0.35Ωで8Ω負荷だとダンピングファクターは22.8になる。
16Ω負荷だと、その倍の45.6になる。

このころのJBLのスピーカーシステムは推奨ダンピングファクターが発表されていて、
その値は意外に低いものだったと記憶している。
ただ手元に資料がないし、旧い記憶ゆえ間違っている可能性もあるけれど、
たしかパラゴンは1から4(もしくは1から8ぐらい)だったはずだ。

ただし、このパラゴンがどの時代のパラゴンかははっきりしない。
最初の150-4Cをウーファーとしたパラゴンなのか、途中からのLE15に変更されたパラゴンなのか。

もっとも、この推奨ダンピングファクターが、すべてのアンプに対してあてはまるというわけではなく、
やはり当時のアンプに対しての値であるものだし、
さらにはJBLのパワーアンプを使って、ということとみることもできる。

あくまでも目安のひとつでしかない、と受け止めるべき、この推奨ダンピングファクターではあるけれど、
D130が生れた当時のアンプのダンピングファクターは、決して高い値ではなく、
むしろ低い値、おそらく1から4ぐらいまでだった、と推測できる。

となると、D130をマランツの管球式パワーアンプ、JBLのパワーアンプとイコライザーカードの組合せ、
ヤマハB4といったアンプで鳴らしてみたら、どういう変化をみせるのか──、そんなことを考えているわけだ。

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