岩崎千明氏のこと(2012年5月2日・その7)
スイングジャーナルの1972年11月号の録音評のところに、こんなことを書かれている。
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オレ自身では44年から49年にわたって録音された「バード・オン・サヴォイ」をベストにと思うのだが読者の誤解、あいつかぶれてるなとか、演奏評にまで口を出すな、とかいわれそうなので、一応ロルフ&ヨアヒムの「変容」にすべきか結論は編集者まかせにした。
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スイングジャーナルの古いバックナンバーを提供してくださった方のおかげで、
昨年から岩崎先生の文章の入力を頻繁に行っている。
作業しながらいつも思っていることは、なぜ、当時のスイングジャーナルの編集者はジャズのレコードについて、
岩崎先生に書かせなかったのか、ということ。
スイングジャーナル後半のオーディオのページでは活躍されていても、
レコードについては毎月の短い録音評と、ときどき(ほんとうにときどき)単発で書かれているぐらい。
当時のスイングジャーナルには書き手が揃っていた、ということも関係しているとは思っていたが、
もしかすると上で引用した文章からうかがえることも関係していたのかもしれないと思う。
岩崎先生がジャズについて語られているものを読みたい、と思っている。
スイングジャーナルでは無理でも、他の雑誌、ジャズやジャズランドにもこれから先、目を通していきたい。
岩崎先生が亡くなられたとき所有されていたレコードの枚数は1万枚ほどあった、と今回きいた。
いまでこそこのくらいの枚数を所有されている方は多いとはいわないまでも、珍しくはない。
でも、1977年当時にこの枚数は、やはりすごいと思う。
それだけレコードで音楽を聴いてこられた岩崎千明の音楽についての文章を読んでいきたい。
なにもジャズだけに限らない、音楽について書かれているものを読みたい。
どのくらいあるのかはまだわからない。
とにかく岩崎先生の文章を、これからも探していくつもりである。