Date: 1月 1st, 2012
Cate: re:code
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re:code(その1)

CDが登場する1982年以前は、オーディオにおいてレコードはアナログディスクのことを指していた。
レコード(record)は、記録、成績という意味ももつから、
LPやSP、シングル盤(EP)といったアナログディスクだけではなく、テープもレコードということになるのだが、
そんなことはわかっているオーディオマニアのあいだでも、レコードはアナログディスクのことであり、
テープはテープ、もしくはヒモという。

アナログからデジタルに変っても、レコードは記録されたもの、ということに変りはないから、
CDもDVDもSACD、DATなどもレコードのなかに含まれる。
とはいうものの、いまもレコードというと、アナログディスクのことになってしまう。

同じ記録するものとして、写真がある。
写真を撮る器械はカメラである。
レンズがあり、カメラ本体があり、フィルムがある。
録音ではレンズがマイクロフォンにあたり、カメラ本体はテープデッキ本体、
フィルムが磁気テープ、ということになる。

レンズがとらえた光はフィルムに記録される、マイクロフォンがとらえた音は磁気テープに記録される。
フィルムは現像しなければならないが、フィルムに記録されているものは、
レンズがとらえた一瞬を、ほぼそのままの形で記録する、と、録音と比較すると、そういえる。
ネガフィルムでは色まではわからないものの、なにをがそこに写っているのかは、フィルムをみるだけでわかる。
ポジフィルムであれば色までわかる。
現像されていれば、フィルムに写っている記録をみるのに特別な器械は必要としない。
たしかにビューアーがあった拡大鏡があれば細部まではっきり見ることができるけれど、
何が写っているのかを確かめるのであれば、それらはモノは特に必要としない。

録音の場合はそうはいかない。目の前にある磁気テープに何が録音されているのかは、
目で見ただけではなにもわからない。
録音と同じようにテープデッキという器械と、あとすくなくとも音を出すモノ(ヘッドフォン)は必要となる。

録音に関してはテープ録音だけではない。ディスク録音でも同じことだ。
溝のうねりをみて、ここはフォルティシモが刻まれているな、ぐらいは判断できても、
溝の形を見ただけで、どんな音楽がそこに記録されているのかを判断できる人は、まずいない。
ここでも、その記録を耳で確かめるためには、なんらかの最低限の器械を必要とする。

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