Date: 11月 23rd, 2011
Cate: 中点
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中点(その13)

レコードが中点であるのは、アナログディスクにしろCDにしろ、
ある形態をもっているからだ、ともいえる。

いまインターネットを通じての配信が増えてきている。
以前は圧縮音源のみだったのが、CDと同じサンプリング周波数、ビット数での配信もはじまり、
さらにはハイビット・ハイサンプリングでの配信、DSDでの配信も登場してきた。
ドイツ・グラモフォン(デッカ)も、以前は320kbpsのMP3だったのが、
FLACファイル(16ビット、44.1kHz)での配信もはじめている。
しかもMP3の価格とFLACの価格差は、意外と小さい。

それにTrack Detailsをみると、最下段にFormatという項目があり、
デジタル録音のものは、サンプリング周波数とビット数が表示されている。
多くは44.1kHzの16ビットだが、なかには24ビットのものもあるし、ハイサンプリングのものもある。

これを提示しているということは、将来、マスターのフォーマットそのままでの配信が行われるのかもしれない、
と勝手に期待しているわけだが、いつになるのかはなんともいえないが、やらない理由は特にないと思う。

レコード会社が、このようにいくつかのフォーマットで音楽を販売している、という事実は、
レコード(録音物)が、これから先も中点でありつづけるのか、とも思えてくる。

レコード(パッケージがなくなってしまうから、あえて録音物とする)が、
レコードの送り手側にとって最終点、レコードの受け手にとって出発点ということも、
これから微妙に変化してくるかもしれない。

つまりレコードの送り手にとってレコードが最終点だったのは、
レコードの受け手の再生環境に対して、いわば注文をつけることはできないからでもある。

それが同じレコード(録音物)をいくつかのフォーマットで提供しはじめたということは、
レコードの受け手の再生環境に合わせることの、最初のとっかかりとなっている、ともいえよう。

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