Date: 11月 11th, 2011
Cate: ショウ雑感
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2011年ショウ雑感(続々続・余談)

テクニクスの10TH1000は、リボン型とは、だから厳密には呼べない。
とはいうものの、リボン型の定義をどうするかによっては、リボン型の変形とも考えられる。
リボン型ユニットが存在し、そこに非常に低いインピーダンスになってしまうという実用上の欠点があったからこそ、
その欠点を解消しようとしてリーフ型トゥイーターは生れてきた、といえなくもない。

けれどADAMのX-ARTドライバー、エラックのJETドライバー、ハイル・ドライバーは、
リボン型の変形とは呼べない。
これらはすべて、いまではAir Motion Transformer型と呼ばれる。略してAMT型である。
ここが、リボン型やリーフ型とは決定的に異る点である。

こう書くと、ADAMのX-ARTは”eXtended Accelerating Ribbon Technology”の略だから、
リボン型ではないのか、という反論される方もおられるかもしれない。
X-ARTのRはたしかにリボンのRであるが、このことが動作方式を表しているわけではない。
そのことに注意してほしい。

ADAM社のサイトには、X-ARTについてふれたページがある。
ここに表示されているFig. 4と本文を読んでいけば、リボン型でないことはすぐに理解できる。

X-ARTのRibbonは、リボン型を表しているわけではなく、振動板(膜)がリボンであることを表していて、
このユニットの方式は、Ribbonの前にあるAcceleratingが表しているし、
本文には、Dr. Oskar HeilとAir Motion Transformerと書かれている。

リボン型ユニットとAMT型ユニットの決定的な違いは、ピストニックモーションであるかどうか、である。
AMT型をピストニックモーションのスピーカーユニットと捉えることが間違いであり、
そう捉えてしまうからこそ、リボン型の一種、もしくは変形だと誤解してしまうことになる。

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