Date: 8月 24th, 2011
Cate: 真空管アンプ
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真空管アンプの存在(その77)

マランツ#7、マッキントッシュC22、QUADの22は、ほぼ同時期のコントロールアンプだ。
この3機種の真空管の点火方式(ヒーター回路)を見て、
まず気がつくのは、QUADの22だけが交流点火だということだ。

QUADの22だけではない、QUADのモノーラル時代のコントロールアンプQCIIも交流点火で、
同じイギリスのリークのVarislope Stereoも交流点火だ。

Model 7、C22の真空管はECC83(12AX7)を6本、
QUADの22は、フォノイコライザーは5極管のEF86の1段増幅、
ラインアンプはECC83による2段増幅となっているから、EF86、2本,ECC83、2本となる。
Varislope Stereoも22同様、フォノイコライザーはEF86の1段増幅、ラインアンプもEF86で、
全体でEF86、4本となる。
だからそれぞれ回路構成は違うわけだが、そのこととヒーターの点火がアメリカ勢は直流点火、
イギリス勢は交流点火の理由につながっていくとは考えにくい。

直流点火をするためには整流・平滑回路が必要になる。
整流のたぬにダイオードもしくはセレンが、
平滑回路には電解コンデンサーと電圧調整とπ型フィルターを構成するための抵抗がいるから、
その分スペースが必要となる。

QUADもリークも、どちらのコントロールアンプもシャーシー内に電源部をもたない。
ペアとなるパワーアンプから供給されるからだ。
だからスペース的な問題から直流点火をあきらめた、とは考えられない。

S/N比を確保するには直流点火がもっとも確実な方法といえる。
それをQUADもリークも採用していないのはなぜか。
交流点火の方が音がいいという判断があったのか。
もしそういう判断があったとして、S/N比は多少犠牲になってもいいという考えからなのか。

この答えは、使われている真空管の製造メーカーと関係していくのではないだろうか。

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