同軸型はトーラスなのか(続・JBL SA600)
SE400S(SE408S)と組み合わされるコントロールアンプのSG520はどうなっているかというと、
結論を先に書けば、反転アンプである。
SA600のラインアンプ・トーンコントロールアンプ部とSG520のラインアンプ・トーンコントロールアンプ部は、
プリメインアンプとコントロールアンプという構成・規模の違いもあってなのか、多少違う点がある。
SA600ではラインアンプもトーンコントロールアンプも2石構成だったのに対し、
SG520ではどちらも3石構成になっている。
とはいうもののラインアンプは正相出力で、トーンコントロールアンプがSA600と同じで反転アンプとなっていて、
SG520のトータルの仕様としては反転アンプということだ。
だから、いうまでもないことだが、SE400S(SE408S)と組み合わせたときには、
反転アンプ+反転アンプで、正相出力になり、
JBLのスピーカーの逆相を正相に戻すような意図は、実はSA600にも、SG520+SE400Sにもないことになる。
1980年代過ぎから、システム・トータルの極性が正相なのか逆相なのかが、
音場感の再現性に影響することから注意がはらわれるようになってきたが、
それでもこの時期に登場したアンプのなかにも反転アンプはいくつかある。
ましてJBLのアンプが登場した時期、
システム・トータルの極性については、あまり注意が払われることはなかったのでないだろうか。
JBLのアンプの数年前に登場したマランツのModel 9には極性反転スイッチがたしかに設けられているが、
むしろModel 9のように極性に注意をはらった製品のほうが、むしろ珍しかったはずだ。
JBLのこれら一連のアンプを設計したのは、よく知られるようにバート・ロカンシーである。